聖なる魂
―現代アメリカ・インディアン指導者
デニス・バンクスは語る
単行本 – 1989/7/1
赤羽さんの12月お勧め本として読んでみた。
史実であり、歴史である。
インディアンがどのように動物のように扱われてきたか、
ルーツ、黒人奴隷を思い出した。
5才の時に親から離されて、流されアル中になるまで、
インディンの不遇さを改善する為奮起する後半。
アメリカンインディアンの歴史の語り部となるまで。
アメリカ大陸を発見して後、先住民たちは
大虐殺を受けたと聞いている。
その後残ったアメリカンインディアンも、
このように手中に収めていった経緯がある。
黒人奴隷よりはまだましだとはいえ、やはり酷い現実がある。
肌の色は、白が一番、赤、黄、黒は人ではなかったようだ。
しかし、肌の色が違っても、それぞれの守るべきモノはある。
大切な伝統、アイデンティティ、譲れないものはある。
アメリカが負けた日本にした政策、
これもまた、文化や伝統、大切な魂を骨抜きにする事だった。
今、豊かになっているが幸せ感が薄いのはそのせいだろう。
核になる大切なものをどこかに捨てられている。
それを日本人も取り戻す必要があるのだ。
戦後生まれの私には、勝者に上書きされた歴史だけでなく
敗者が持っていた歴史も学ぶ必要があるだろう。
近代史をしっかり教えてもらえない奇妙な日国では、
心の核になるものは芽生えてこないだろう。
日本はアジアの植民地化を憂いて大東亜戦争を始めた。
それがアメリカによって太平洋戦争となり、
原爆を落とされて負けた。
植民地になってもおかしくなかったが、天皇陛下のお陰で
それを免れた事を知っている人はどれだけいるのだろう?
日本の史実を語ってくれる人の声は同じ日本人に届いているのだろうか?
日本を語り継いでくれる語り人はいるのだろうか?